唐紅
からくれない
名詞
標準
crimson
文例 · 用例
その姿が、毛氈の赤い色、毛布の青い色、風呂敷の黄色いの、寂しい媼さんの鼠色まで、フト判然と凄い星の下に、漆のような夜の中に、淡い彩して顕れると、商人連はワヤワヤと動き出して、牛鍋の唐紅も、飜然と揺ぎ、おでん屋の屋台もかッと気競が出て、白気濃やかに狼煙を揚げる。
— 泉鏡花 『露肆』 青空文庫
そして、床、壁、天井にまでも血が飛び散つて一面に凄慘な唐紅だつた。
— ――スウェーデンの殺人鬼―― 『死の接吻』 青空文庫
その言葉の終りは唐紅の血となりて初花の鼻と唇より迸り出づる。
— 夢野久作 『白くれない』 青空文庫
しばらくするとまた唐紅の天道がのそりと上って来た。
— 夏目漱石 『夢十夜』 青空文庫
床上に横たわった杉窪の銅兵衛、胸の繃帯唐紅だ。
— 国枝史郎 『剣侠受難』 青空文庫
手繰るに連れて一丈二丈|唐紅の絹が延びる。
— 国枝史郎 『神州纐纈城』 青空文庫
その時、老人は左右の手を、物でも掬うように円く曲げ、ドップリと胸腔へ差し込んだが、肘の付け根から爪の先まで、唐紅に血に染めて、それを再び引き出した時には、軟いドロドロした変な物を、掌一杯に捧げて持っていた。
— 国枝史郎 『神州纐纈城』 青空文庫
颯と白紗の蚊帳に血飛沫が散って、唐紅の模様を置いた。
— 江見水蔭 『怪異黒姫おろし』 青空文庫
作例 · 標準
夕焼けに染まる空が、まるで唐紅の絵のようだった。
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秋の山々は、紅葉で唐紅に染まり息をのむ美しさだ。
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彼女は唐紅の着物を身にまとい、祭りの人ごみの中でひときわ目を引いた。
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あの唐紅色の花は、情熱的な恋を象徴している。
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