有るまじき
あるまじき
連体詞
標準
unworthy
文例 · 用例
見る目は人の咎にして、有るまじき事と思ひながらも、立ちし浮名の消ゆる時なくば、可惜白玉の瑕に成りて、其身一生の不幸のみか、あれ見よ伯母そだてにて投げやりなれば、薄井の娘が不品行さ、両親あれば彼の様にも成らじ物と、云ひたきは人の口ぞかし、思ふも涙は其方が母、臨終の枕に我れを拝がみて。
— 樋口一葉 『雪の日』 青空文庫
宿直室へ生徒の父兄を待たせて置くといふことは有るまじきことである。
— 長塚節 『教師』 青空文庫
久く垂籠めて友欲き宮は、拯を得たるやうに覚えて、有るまじき事ながら、或は密に貫一の報を齎せるにはあらずやなど、枉げても念じつつ、せめては愁に閉ぢたる胸を姑くも寛うせんとするなり。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
東北は山又山を重ねて、琅※の玉簾深く夏日の畏るべきを遮りたれば、四面|遊目に足りて丘壑の富を擅にし、林泉の奢を窮め、又有るまじき清福自在の別境なり。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
即ち予は、『領分を騒がし、身分柄にも有るまじき容易ならざる企を起し、僣越の建白をなせしは、不届の至なるに依り、厳重に仕置申付くべきの処、格別の御慈悲を以て、一家残らず領分永の追放を申付くるもの也。
— 木下尚江 『臨終の田中正造』 青空文庫
また盗賊火付などを吟味する時、覚えなき者も拷問せられて、苦痛の甚しきに得堪へずして、偽りて我なりと白状する事あるを、白状だにすれば真偽をばさのみたゞさず、其者を犯人として刑に行ふ様の類もあるとか、是又甚有るまじき事なり。
— 穂積陳重 『法窓夜話』 青空文庫
――この間宿の客が山から取って来て瓶に挿した一輪の白さと大きさと香から推して、余は有るまじき広々とした画を頭の中に描いた。
— 夏目漱石 『思い出す事など』 青空文庫
かかる有るまじき世をも超えなければ、真の国礎は万代にすわらぬものとみゆる――と時の民ぐさは喞った。
— 大楠公夫人 『日本名婦伝』 青空文庫
作例 · 標準
私は毎日有るまじきについて考えている。
有るまじきという言葉は日本語で重要だ。
彼は有るまじきの意味を理解している。
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