片戸
かたど
名詞
標準
single-swing(ing) door
文例 · 用例
試みに片戸を引いてみた。
— 国枝史郎 『銅銭会事変』 青空文庫
なぜなら降るからそうしたに違いない片戸ざし。
— 久保田万太郎 『春泥』 青空文庫
シナの庭園も本来は自然にかたどったものではあろうが、むやみに奇岩怪石を積み並べた貝細工の化け物のようなシナふうの庭は、多くの純日本趣味の日本人の目には自然に対する変態心理者の暴行としか見えないであろう。
— 寺田寅彦 『日本人の自然観』 青空文庫
医者が姫君を診察するとき、心臓の鼓動をかたどるチンパニの音、脈搏を擬する弦楽器のピッチカットもそんなにわざとらしくない。
— 寺田寅彦 『音楽的映画としての「ラヴ・ミ・トゥナイト」』 青空文庫
工芸も、何ですか、大層に気を配って、……世の泰平をかたどった、諫鼓――それも打つに及ばぬ意味で……と私に分るように、天狗様は言ったんですがね。
— ――(前題――楊弓) 『ピストルの使い方』 青空文庫
ふつうの凡夫を、なにかと意味づけて夢にかたどり眺めて暮して来ただけではなかったのか。
— 太宰治 『彼は昔の彼ならず』 青空文庫
立ち騷ぐ黒雲に日はかくれて、むら雨はげしく降りしきるとも、晝のひかり猶ほおのづから明かなるは、男の心のなべて智に富むにかたどるべし。
— 大町桂月 『日月喩』 青空文庫
葉子は思い余ったその場のがれから、箪笥の上に興録から受け取ったまま投げ捨てて置いた古藤の手紙を取り上げて、白い西洋封筒の一端を美しい指の爪で丹念に細く破り取って、手筋は立派ながらまだどこかたどたどしい手跡でペンで走り書きした文句を読み下して見た。
— 有島武郎 『或る女』 青空文庫
作例 · 標準
古い蔵の入り口には、観音開きの大きな扉ではなく、一枚の頑丈な片戸がついていた。
幻辭AI · gemini-2.5-pro
彼は寺の重々しい片戸を、ぎいっと音を立てながら押し開けた。
幻辭AI · gemini-2.5-pro
その隠し部屋へは、壁に埋め込まれたような目立たない片戸を通って入る。
幻辭AI · gemini-2.5-pro