行き付け
いきつけ
名詞
標準
文例 · 用例
今に連なる本のサイズはこのベネチア人のアイデアに従っているわけで、この本の大きさまで行き付ければ、そのマシンはどこででも使えるという提供すべきサービスの条件を一つ、クリアーできるだろう。
— 富田倫生 『青空のリスタート』 青空文庫
この調子では、今年中にゆきつけるものやら、来年の春までかかるものやら、コン吉は胸を抱いてはなはだ憂鬱。
— 合乗り乳母車 ――仏蘭西縦断の巻―― 『ノンシャラン道中記』 青空文庫
そして、なん度もわたしが考えたのは、その人たちが死に到ったみちを後もどりして、肺病、風邪、衰弱、疲労、気鬱と推移をたどってゆけば、ついには最初の、失恋という徴候にゆきつけるということである。
— ワシントン・アーヴィング Washington Irving 『傷心』 青空文庫
師匠の帰ったあと中っ腹で木原の楽屋を飛び出すと、食傷新道のゆきつけの家へ飛び込んで、とりあえず二、三本、徳利を倒した今松だった。
— 正岡容 『寄席』 青空文庫
金杉の「梅川」というのがゆきつけの舟宿であった。
— 山本周五郎 『追いついた夢』 青空文庫
だからこそ、逃げのびてくれるようにと祈ったのに、芝居茶屋といえば、その婦人のゆきつけの店だろうし、女の浅智恵でそこを選んだのであろうが、そんな場所では「此処へ来い」と手招きをするようなものではないか。
— 山本周五郎 『花も刀も』 青空文庫
「この向うにゆきつけの家がございますの、珍しい精進料理とお酒の良いので評判ですわ」「いっしょに来いというんですか」「ええぜひ――」「私はこの恰好ですよ」「御人品は隠せませんわ」 こう云って、女はうしろへ振返った。
— 山本周五郎 『風流太平記』 青空文庫
それでも帰りには、ゆきつけの屋台店でおちあい、いっしょに一杯やることだけは欠かさなかったが、その日は屋台店でもおちあわなかった。
— 山本周五郎 『季節のない街』 青空文庫