押し掛ける
おしかける
動詞
標準
文例 · 用例
それから入れ代って万次郎が押し掛ける。
— 正雪の絵馬 『半七捕物帳』 青空文庫
昔の樣に赫と激して、すぐ叔母の所へ談判に押し掛ける氣色もなければ、今迄自分に對して、世話にならないでも濟む人の樣に、餘所々々しく仕向けて來た弟の態度が急に方向を轉じたのを、惡いと思ふ樣子も見えなかつた。
— 夏目漱石 『門』 青空文庫
それは彼女が遠縁にあたる家で、町でも第一流の堀江屋という大きい料理屋であるので、昔馴染みの富子のために町の芸妓たちをも駆りあつめて、初日の晩から花々しく押し掛けるとのことであった。
— 岡本綺堂 『探偵夜話』 青空文庫
あのお稲荷様は立花様の下屋敷にあって、一時ひどく廃れていたんですが、どういう訳かこの年になって俄かに繁昌して、近所へ茶店や食い物屋がたくさんに店を出して、参詣人が毎日ぞろぞろ押し掛けるという騒ぎでしたが、一年ぐらいで又ぱったりと寂しくなりました。
— 筆屋の娘 『半七捕物帳』 青空文庫
昔のように赫と激して、すぐ叔母の所へ談判に押し掛ける気色もなければ、今まで自分に対して、世話にならないでも済む人のように、よそよそしく仕向けて来た弟の態度が、急に方向を転じたのを、悪いと思う様子も見えなかった。
— 夏目漱石 『門』 青空文庫
この首実検にも徒らに閑人が押し掛けるばかりで、何ら目的とする身許判明の手懸りは得られそうもないので、もう屍体公示を打ち切ろうということになっていたのだが、すると六日目の三月十四日、金曜日の朝のことである。
— 牧逸馬 『土から手が』 青空文庫
こんなに早く押し掛けるとお姉さんの方の都合が悪いかもしれませんな。
— A. キングスフォード A. Kingsford 『犬酸漿』 青空文庫
若手の仇っぽいのが花簪に肩衣姿、客席を横目でにっこり、これを当て込みに義太夫そっちのけで押し掛ける連中が毎夜の大入り。
— 山本笑月 『明治世相百話』 青空文庫