神感
しんかん
名詞
標準
文例 · 用例
東京にも歌人の大家先生は澤山あれど我等のやうに先生の薫陶を受け大島小學校の門に學び候ものならで、能く我等の精神感情を日の出の唱歌に歌ひ出し得るもの有るべきや、甚だ覺束なく存候。
— 国木田独歩 『日の出』 青空文庫
前にも既に説うごとく、この人形は亡き母として姉妹が慕い斉眉物なれば、宇宙の鬼神感動して、仮に上※の口を藉りかかる怪語を放つらんと覚えず全身|粟生てり。
— 泉鏡花 『活人形』 青空文庫
今から行けば、時も亦好きに非ずや』と、裸男知つた風の事云へば、なるほどと山神感服して、共に出で立つ。
— 大町桂月 『久地の梅林』 青空文庫
精神感動で手足ひやひや体をふるわす。
— 宮本百合子 『「伸子」創作メモ(二)』 青空文庫
「――皆いやがってるわ――父さまだって――」といいかけ、精神感動の鎮まっていない尚子はわっと泣き出して母にきつくかじりついた。
— 宮本百合子 『墓』 青空文庫
彼は精神感動の方が強くて、真蒼になり、氷のような四肢を震わせた。
— 宮本百合子 『伸子』 青空文庫
自分は、種々な精神感動や、仕事を纏めてしまおうとして不自然な緊張を続けたために非常に疲れて、神経質になっていた。
— 宮本百合子 『南路』 青空文庫
「二人の小さいヴァガボンド」は、内容に、種々な価値の問題、教育、宗教に対する考察、或は子供と大人の世界の差異に対する精密な観察等が含まれているにも拘らず、芸術品として、読者の心に喚起した創造的な共鳴は、矢張り、貴女の御作に接せずには得られない、一種の人格的精神感銘であると存じます。
— 宮本百合子 『野上彌生子様へ』 青空文庫