丹色
にいろ
名詞
標準
red
文例 · 用例
他の店の黄色或いは丹色の日覆いも旗の色と共に眼に効果を現わして来た。
— 岡本かの子 『巴里祭』 青空文庫
間もなく洞穴へ帰って来た子狐は、「お母ちゃん、お手々が冷たい、お手々がちんちんする」と言って、濡れて牡丹色になった両手を母さん狐の前にさしだしました。
— 新美南吉 『手袋を買いに』 青空文庫
蓋が打欠けていたそうでございますが、其処からもどろどろと、その丹色に底澄んで光のある粘土ようのものが充満。
— 泉鏡花 『春昼』 青空文庫
或日の午後、渠が學校から疲れて歸つて來ると、見慣れない牡丹色の鼻緒の駒下駄が玄關の格子に脱いであつて、正面のはしご段のわきには大きな行李が一つころがり八疊の間に若いおほひさし髮の女が來てゐた。
— 發展 『泡鳴五部作』 青空文庫
女の衣物は相變らず雨に笹の白縮みだが、帶だけは換はつて、牡丹色の繻子と青みがかつた綿繻珍らしいものとの腹合はせになつて、帶あげは繻絆の袖と同じとき色のメリンスだ。
— 發展 『泡鳴五部作』 青空文庫
無地の牡丹色メリンスの被布も、紀州にゐた時拵らへたのだらう、田舍者じみてをかしいのだが、お鳥がいい氣になつて着澄ましてゐるのを幸ひ、義雄はそツとそのままにさせてあつた。
— 發展 『泡鳴五部作』 青空文庫
(大正十二年九月、渋柿) * 震災の火事の焼け跡の煙がまだ消えやらぬころ、黒焦げになった樹の幹に鉛丹色のかびのようなものが生え始めて、それが驚くべき速度で繁殖した。
— 寺田寅彦 『柿の種』 青空文庫
そうして、その丹色が、焔にあぶられた電車の架空線の電柱の赤さびの色や、焼け跡一面に散らばった煉瓦や、焼けた瓦の赤い色と映え合っていた。
— 寺田寅彦 『柿の種』 青空文庫
作例 · 標準
夕日に照らされた雲が、鮮やかな丹色に染まっていく。
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神社の鳥居には、魔除けの意味を込めて美しい丹色が塗られている。
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彼女が身につけていた丹色の帯が、地味な着物のアクセントになっていた。
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