心胆
しんたん
名詞
標準
heart
文例 · 用例
近頃、とんと斯様な噂は消え去つたが、一体このあたりには私の幼時の頃までは、天狗の出没に関する事蹟が矢鱈に流布されて、悪夢を持つた人々の心胆を寒からしめてゐたものであるが。
— 牧野信一 『心象風景』 青空文庫
彼は話の要所要所に力点をつけて、そのたびに、例の裁判官に特有の、相手の心胆をこおらせるような視線を、聴き手の顔へ投げるのであった。
— 平林初之輔 『予審調書』 青空文庫
その彼の言葉が若しも聞えたならば、凡そ僕等の心胆を寒からしめる類ひに相違ないのだらうが、聞えぬぶんには至極長閑で、無声映画を見物するやうでもあり、またこちらの仕事の助手を見つけたかの体裁でもあつた。
— 牧野信一 『沼辺より』 青空文庫
運動戦となるや独軍の極めて優れた空軍と機械化兵団が連合軍の心胆を奪って大胆無比の作戦をなし遂げ得た。
— 石原莞爾 『戦争史大観』 青空文庫
しかし、この出来事は、すっかりモスタアとダグラスの心胆を寒からしめたものとみえる。
— 牧逸馬 『チャアリイは何処にいる』 青空文庫
全体、今の大臣等は、維新の風雨に養成せられたなどと大きな事をいふけれども、実際剣光砲火の下を潜つて、死生の間に出入して、心胆を練り上げた人は少ない、だから一国の危機に処して惑はず、外交の難局に当つて恐れないといふほどの大人物がないのだ。
— 勝海舟 『黙々静観』 青空文庫
昔のままに残っている先祖から譲られた廃屋に住み、再び近所の子供を集めて、名賢の教えを説く傍山野の間を跋渉して、努めて心胆を鍛錬した。
— 国枝史郎 『高島異誌』 青空文庫
一方では心胆を寒がらせ、一方では世間の正しい批評を、仰がせることに役立つのだからだ」 田沼家へ行った『ままごと』の中には、何がはいっていたのであろうか?
— 国枝史郎 『十二神貝十郎手柄話』 青空文庫
作例 · 標準
突然の出来事に、彼の心胆は寒からしめられた。
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その幽霊の話を聞いて、子供たちの心胆は凍りついた。
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困難な状況に立ち向かうには、強い心胆が必要だ。
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