生死不明
せいしふめい
名詞
標準
文例 · 用例
生死不明を伝えられた陳独秀はモスコーにいたがそれからどうなったか?
— 吉行エイスケ 『地図に出てくる男女』 青空文庫
笹島先生は、酒をお猪口で飲むのはめんどうくさい、と言い、コップでぐいぐい飲んで酔い、「そうかね、ご主人もついに生死不明か、いや、もうそれは、十中の八九は戦死だね、仕様が無い、奥さん、不仕合せなのはあなただけでは無いんだからね。
— 太宰治 『饗応夫人』 青空文庫
狐鹿姑単于が父の後を嗣いでから数年後、一時蘇武が生死不明との噂が伝わった。
— 中島敦 『李陵』 青空文庫
彼の生死不明の噂は彼の養っていた畜群が剽盗どものために一匹残らずさらわれてしまったことの訛伝らしい。
— 中島敦 『李陵』 青空文庫
こないな意気地なしになって、世の中に生きながらえとるくらいなら、いッそ、あの時、六カ月間も生死不明にしられた仲間に這入って、支那犬の腹わたになっとる方がましであった。
— 岩野泡鳴 『戦話』 青空文庫
一月の十二三日に収容せられ、生死不明者等はそこで初めて戦死と認定せられ、遺骨が皆本国の聨隊に着したんは、三月十五日頃であったんや。
— 岩野泡鳴 『戦話』 青空文庫
してみると、お筆という女は自分の故郷に帰って来て、しかも自分の生まれた家のなかでいろいろの事件をしでかして、そのまま生死不明になってしまったので、まったく不思議な女です。
— 岡本綺堂 『探偵夜話』 青空文庫
その若いふたりの生死不明ということが自分の神経を強く刺戟したので、今ここでこんな幻覚を見たに相違ない。
— 岡本綺堂 『指輪一つ』 青空文庫