山の気
やまのき
名詞
標準
mountain air
文例 · 用例
空々寂々の境で、山という山の気分が、富士山に向いて、集中して来る、谷から幾筋とない雲が、藍の腐ったような塊になって、立ち昇る、富士山はこの雲と重なって、心もち西へ西へと延びて来るようだ、蝕った雲の淵の深さが、何十尺かの穴となって、口が明く。
— 小島烏水 『白峰山脈縦断記』 青空文庫
その上、山の気か、女の香か、ほんのりと佳い薫がする、私は背後でつく息じゃろうと思った。
— 泉鏡花 『高野聖』 青空文庫
その時裏の山、向うの峰、左右前後にすくすくとあるのが、一ツ一ツ嘴を向け、頭を擡げて、この一落の別天地、親仁を下手に控え、馬に面して彳んだ月下の美女の姿を差覗くがごとく、陰々として深山の気が籠って来た。
— 泉鏡花 『高野聖』 青空文庫
されども尽くる時には尽き易き金銀にて、光りを磨きし餝屋とて日本の長者の名ありしものも、今は百貫目に足らぬ身代となり、是にては中々今までの格式を追ひ難しと急に分別極めて家財を親類に預け、有り金を持つて代々の住所を立退き、大阪の福島に坊主行義の世帯して北に見渡す野山の気色に自ら足れりとしける。
— 幸田露伴 『花のいろ/\』 青空文庫
西山の気分はまた前どおりの黙って坐ってはいられないような興奮に帰っていった。
— 有島武郎 『星座』 青空文庫
それは時に山の気象で以て何かの形が見えることもあるものでありますが、とにかく今のさきまで生きておった一行の者が亡くなって、そうしてその後へ持って来て四人が皆そういう十字架を見た、それも一人二人に見えたのでなく、四人に見えたのでした。
— 幸田露伴 『幻談』 青空文庫
霜に襲はれた山の気がほかほかする日光の底に冷たく感じられた。
— 石川啄木 『道』 青空文庫
其上、山の気か、女の香か、ほんのりと佳い薫がする、私は背後でつく息ぢやらうと思つた。
— 泉鏡太郎 『高野聖』 青空文庫
作例 · 標準
都会の喧騒を離れ、「山の気」を吸い込むのは最高の贅沢だ。
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深い森の中では、清々しい「山の気」が満ちている。
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「あー、やっぱり「山の気」は違うね!」「最高にリフレッシュできる!」
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