玉の緒
たまのお
名詞
標準
bead string
文例 · 用例
「あの山を越す哀しい鳥の数も数え尽した」「もう、いいわ、じゃ、ね」さぬらくは玉の緒ばかり恋ふらくは不二の高嶺の鳴沢のごと駿河の海|磯辺に生ふる浜つづら汝をたのみ母にたがひぬ
— 岡本かの子 『富士』 青空文庫
お蘭の玉の緒を、いつあの白痴が曳いて行ったか、自分が婿を貰い、世の常の女の定道に入るとすれば、この世のどこかの隅であの白痴が潰え崩れてしまうような傷ましさを、お蘭の心がしきりに感ずるのをどうしようもなかった。
— 岡本かの子 『みちのく』 青空文庫
それからたとえば踊りつつ月の坂道ややふけて はたと断えたる露の玉の緒とでもいったような場面などがいろいろあって、そうして終わりには葬礼のほこりにむせて萩尾花 母なる土に帰る秋雨 これらの映画を見たあとで国産の「マダムと女房」を見た。
— 寺田寅彦 『映画雑感(1)』 青空文庫
お蘭の玉の緒を、いつあの白痴が曳いて行ったか、自分が婿を貰い、世の常の女の定道に入るとすれば、この世の中の何処かの隅であの白痴が潰え崩れて仕舞うような傷ましさを、お蘭の心がしきりに感じるのをどうしようもなかった。
— 岡本かの子 『みちのく』 青空文庫
お孝が一声応ずるとともに、崩れた褄は小間を落ちた、片膝立てた段|鹿の子の、浅黄、紅、露わなのは、取乱したより、蓮葉とより、薬玉の総切れ切れに、美しい玉の緒の縺れた可哀を白々地。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
」 やがてお千世が着るようになったのを、後にお孝が気が狂ってから、ふと下に着て舞扇を弄んだ、稲葉家の二階の欄干に青柳の糸とともに乱れた、縺るる玉の緒の可哀を曳く、燃え立つ緋と、冷い浅黄と、段染の麻の葉|鹿の子は、この時見立てたのである事を、ちょっとここで云って置きたい。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
玉の緒|揺ぐ手柄の色。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
お千世は玉の緒を繋ぎとめた。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
作例 · 標準
古い装束に使われていた玉の緒が、経年劣化で今にも切れそうだ。
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職人が一粒ずつ丁寧に、珊瑚のビーズを玉の緒に通していく。
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博物館の展示ケースには、宝石を繋いだ豪華な玉の緒が収められている。
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