齢若
よわいわか
名詞
標準
文例 · 用例
太孫|猶齢若く、子澄未だ世に老いず、片時の談、七国の論、何ぞ図らん他日山崩れ海|湧くの大事を生ぜんとは。
— 幸田露伴 『運命』 青空文庫
金泥を空にながして彩つた眞夏のその壯麗なる夕照に對してこころゆくまで、銀鈴の聲を振りしぼつて唄ひつづけた獨唱の名手、天飛ぶ鳥も翼をとどめてその耳を傾けた、ああ、これがかの夕日の森に名高く、齢若き閨秀樂師のなれの果であらうとは!
— 山村暮鳥 『ちるちる・みちる』 青空文庫
岸田直介――と言うのは、最近東京に於て結成された瑪瑙座と言う新しい劇団の出資者で、大月と同じ大学を卒えた齢若い資産家であるが、不幸にして一人の身寄をも持たなかった代りに、以前|飯田橋舞踏場でダンサーをしていたと言う美しい比露子夫人とたった二人で充分な財産にひたりながら、相当に派手な生活を営んでいた。
— 大阪圭吉 『花束の虫』 青空文庫
――尼僧というが、低い声音に似ず、庵主は意外にもまだ年齢若い女だった。
— 海野十三 『鍵から抜け出した女』 青空文庫
さすがに胸に疑念もわだかまりいまさらのように身を切られるような寒気も全身にこたえ出してきた頃合いに、ひょっこりとどこからきたともなく一人の齢若い女が胸に赤子を抱いてきたり、神前にぬかずいて一心に拝み出しましたのです。
— 佐々木喜善 『東奥異聞』 青空文庫
そこで老婆はその小槌でもって、目明きにもなり、また齢若にもなり、そしてまたその奥山に千軒の町を打ち出し、自分は錦小袖にかいくるまって、その町の女殿さまとなってりっぱな御殿に住んでいます。
— 佐々木喜善 『東奥異聞』 青空文庫
船頭には老いたるが多く、馬士には齢若きが多し。
— 河井醉茗 『山の宿海の宿』 青空文庫
――年齡若きもの、鋭利の刄つんざきて戰場中に斃るもの、彼にすべては惡からず、死するも恨なかるべし。
— ILIAS 『イーリアス』 青空文庫