臼搗き
うすづき
名詞
標準
文例 · 用例
それに貧乏でもあるし、ただ遊んでいるのも心苦しく、臼搗きの仕事を手伝いながら、ここから遠くない中国街道の頻繁なうわさから、もし武蔵の便りでも知れようかと、唄もない多年の「会えざる恋」を秘めて、染屋の庭の秋の陽の下に、黙々と、毎日|杵を持って想い搗いていたのであった。
— 円明の巻 『宮本武蔵』 青空文庫
……烏帽子を被った鼠、素袍を着た猿、帳面つける狐も居る、竈を炊く犬も居る、鼬が米舂く、蚯蚓が歌う、蛇が踊る、……や、面白い世界じゃというて、殿たちがものとは較べられぬ。
— 泉鏡花 『吉原新話』 青空文庫
』と叫んで突起たかと思うと、又|尻餅を舂て熟と僕を見た時の顔色!
— 国木田独歩 『運命論者』 青空文庫
二 其から日一|日おなじことをして働いて、黄昏かゝると日が舂き、柳の葉が力なく低れて水が暗うなると汐が退く、船が沈むで、板が斜めになるのを渡つて家に歸るので。
— 泉鏡花 『三尺角』 青空文庫
)(そう、) といって、お夏さんが空を仰いで見ましたがね……」 虹を刻んで咲かせた色の、高き梢のもみじの葉の、裏なき錦の帳はあれど、蔽われ果てず夕舂日、光|颯と射したれば、お夏は翳した袖几帳。
— 泉鏡花 『式部小路』 青空文庫
二 それから日一日おなじことをして働いて、黄昏かかると日が舂き、柳の葉が力なく低れて水が暗うなると汐が退く、船が沈んで、板が斜めになるのを渡って家に帰るので。
— 泉鏡花 『三尺角』 青空文庫
首を回らせば徃時をかしや、世の春秋に交はりて花には喜び月には悲み、由無き七情の徃来に泣きみ笑ひみ過ごしゝが、思ひたちぬる墨染の衣を纏ひしより今は既、指をの霊地に運びて寺に霜は募りて樹※に紅は増す神無月の空のやゝ寒く、夕日力無く舂きて、晩れし百舌の声のみ残る、暮方のあはれさの身に浸むことかな。
— 幸田露伴 『二日物語』 青空文庫
組の者が役割をきめる時には、その時々によつて、駿介にも、鏡餅を舂く役とか、神酒としての甘酒を作る役とか、部落の各戸から米を集めて※る役とか、五目ずしを作る役とか、さういふ役が割り當てられる。
— 島木健作 『生活の探求』 青空文庫