舎少
しゃしょう
名詞
標準
文例 · 用例
この版画の油絵はたしかに一つの天啓、未知の世界から使者として一人の田舎少年の柴の戸ぼそにおとずれたようなものであったらしい。
— 寺田寅彦 『青衣童女像』 青空文庫
首だけまっ白に塗ってあごから上の顔面は黄色ないしは桃色にして、そうして両方のたぼを上向きにひっくらかえしているのが田舎少年の目には不思議に思われた。
— 寺田寅彦 『銀座アルプス』 青空文庫
当時盛名全欧を圧したモーツァルトにとっては田舎少年ベートーヴェンの訪ねて来たことはたいした問題ではなく、その面前で弾いた「即興曲」も前から用意したものと思ったか、通り一遍の賞讃の辞を与えたにすぎなかった。
— 野村胡堂 『楽聖物語』 青空文庫
頭のテッペンから足の爪先まで、東京の中学生の結晶みたいなのが田舎少年のまんなかへ、転校して来たのであるから、コウモリの群れへ、粋な濡れつばめが舞いこんだのと同じである。
— 野村胡堂 『胡堂百話』 青空文庫
目鼻だちは幼少からきかない気性をあらわして、凜々としていたが、師匠の自斎が、華美は嫌う人であったから、そこの水汲み小僧であった小次郎は、元より質素で色の真っ黒な田舎少年でしかなかった。
— 風の巻 『宮本武蔵』 青空文庫
表2 13才のイランの田舎少年を20人づつの亜鉛+および亜鉛―の2つのグループに分けた結果11 一つのグループ(B)は学校のある日(6/wk)にタンパク質、トウモロコシ油、諸種ビタミン、亜鉛以外の諸種ミネラルを含む液状サプリメントが与えられた。
— A Short History of Nutritional Science 『栄養学小史』 青空文庫
麻の袷に青衿つけた、極めて質素な、掻垂れ髮を項じのほとりに束ね、裾短かに素足を蹈んで立つた、帶と襷とに聊か飾りの色を見る許りな、田舍少女ではあれど、殆ど竝みの女を超絶して居る此人には飾りもつくりもいらぬらしい。
— 伊藤左千夫 『古代之少女』 青空文庫
ハイネの「流竄神」ではないが、「自由」の神は田舍少女の風俗に姿をやつして、野花一枝を添へた草刈鎌をたづさへてゐる。
— 蒲原有明 『創始期の詩壇』 青空文庫