挟み箱
はさみばこ
名詞
標準
文例 · 用例
供先揃えながら、鳥毛、挟み箱の行列も七十三万石の太守らしく横八文字に道を踏んで、長蛇のごとく練って来たのは待ちに待たれた島津のお道中でした。
— 三河に現れた退屈男 『旗本退屈男 第五話』 青空文庫
宗左は名高い大名の折角のお招きだといふので、出来るだけ供をたんと連れて、供には挟み箱や長刀などを担がせた。
— 大正七(一九一八)年 『茶話』 青空文庫
黒塗り紋附きの挟み箱が往来においてある。
— 正岡容 『巣鴨菊』 青空文庫
槍の挟み箱のという仰々しいことはごくお嫌いな先生、それに暇どりするゆえ、一人で駕で行ってくる。
— 吉川英治 『剣難女難』 青空文庫
そこで羽柴秀長の迎えを見、指揮をさずけ終るや、また山を降って黒田村を渡り、観音坂を経て、余吾の東方、茶臼山へかかって、初めて床几代りの、挟み箱に腰をおろした。
— 第九分冊 『新書太閤記』 青空文庫
挟み箱に腰かけた彼の服装を見るに、昼から汗と埃にまみれきった柿色染めの木綿陣羽織に、柿団扇をもち、徐々、それをうごかして、戦闘指揮にかかっていた。
— 第九分冊 『新書太閤記』 青空文庫
一方―― 秀吉の進撃と、ここの動きとを、時間的に対比してみると、玄蕃允が陣払いを始めていた頃、ちょうど秀吉は、黒田村から茶臼山へのぼり、挟み箱を床几として、ひと休みしている時分かと思われる。
— 第九分冊 『新書太閤記』 青空文庫
そのうち、彼女は或る日、往来を歩いていると、二階笠の紋をつけた挟み箱や塗り駕籠の行列に行き会った。
— 空の巻 『宮本武蔵』 青空文庫