来事
らいこと
名詞
標準
文例 · 用例
そうして又、俄の出来事に無数の悪魔が駈出して来た様な、にくにくしい土色した雲が、空低く散らかり飛び駈けって、引切りなしに北の方へ走り行く。
— 伊藤左千夫 『大雨の前日』 青空文庫
けれども婦人の身として、さすがにこの不思議な出来事は不気味であった。
— 萩原朔太郎 『ウォーソン夫人の黒猫』 青空文庫
何といふうれしい出来事でせう。
— 萩原朔太郎 『散文詩集『田舎の時計 他十二篇』』 青空文庫
そうしたヘルンの家庭では、自然界のちょっとした出来事や現象やが、いつも物珍らしく大騒ぎの種になるのであった。
— 室生犀星と佐藤春夫の二詩友を偲びつつ 『小泉八雲の家庭生活』 青空文庫
私は、その夕、電燈|煌々として自動車の目まぐるしく飛び交う賑やかな町中で、一枚の号外を握って、地質時代の出来事であるところの、氷河退却時代が、眼のあたりに見られるのだと思った。
— 小島烏水 『火と氷のシャスタ山』 青空文庫
人々は、眼を上げて、世界の出来事を見ると、地獄と極楽との絵を重ねて見るような、混沌さを覚えた。
— 葉山嘉樹 『乳色の靄』 青空文庫
たとえば、人間の一人々々が、誰にも云わず、書かずに、どの位多くの秘密な奇怪な出来事を、胸に抱いたまま、或は忘れたまま、今までにどの位死んだことだろう。
— 葉山嘉樹 『淫賣婦』 青空文庫
私は今までの異常な出来事に心を使いすぎたのだろう。
— 葉山嘉樹 『淫賣婦』 青空文庫