横筋
よこすじ
名詞
標準
transversal
文例 · 用例
「熨斗目」の腰に織り出してある横縞や、「取染」の横筋はいずれも宝暦前の趣味である。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
これが看板で、小屋の正面に、鼠の嫁入に担ぎそうな小さな駕籠の中に、くたりとなって、ふんふんと鼻息を荒くするごとに、その出額に蚯蚓のような横筋を畝らせながら、きょろきょろと、込合う群集を視めて控える……口上言がその出番に、「太夫いの、太夫いの。
— 泉鏡花 『国貞えがく』 青空文庫
青鬼に呼び止められた亡者のような悲し気な顔でチラリと、恐ろしそうに眉香子の顔を振り返っただけで……それでもイクラか落ちついたらしく、長椅子の上に引っかけた上衣を横筋違いに引被りながら、ヨロヨロと応接間を出て行った。
— 夢野久作 『女坑主』 青空文庫
父親の牛九郎の方は仰臥けしたまま、禿上った前額部の眉の上を横筋違いに耳の近くまでザックリと割られて、鶏の内臓みたような脳漿がハミ出している。
— 夢野久作 『巡査辞職』 青空文庫
茶屋|揚屋の軒に余って、土足の泥波を店へ哄と……津波の余残は太左衛門橋、戒橋、相生橋に溢れかかり、畳屋町、笠屋町、玉屋町を横筋に渦巻き落ちる。
— 泉鏡花 『南地心中』 青空文庫
いかに女は嫌いとはいえ、いやそれだけに一層鼾や歯軋りが恥じられて、気になる余りまんじりともせず、無性に疳を立てながら、やがて明け方の薄ら明りにふと眼をやれば、楓の寝顔は白粉が剥げて、鼻の横筋など油が浮き、いっそ醜い。
— 織田作之助 『猿飛佐助』 青空文庫
ナマカイランソ(鰯の事)、ウワ――アアイイ……』 と横筋違に往来ば突抜けて行きます。
— 夢野久作 『近世快人伝』 青空文庫
横筋の地肌の暗灰色の幹に、真っ赤な蔦が一面に絡みついているのであった。
— 佐左木俊郎 『恐怖城』 青空文庫