応筋
おうすじ
名詞
標準
文例 · 用例
聞いてみれば、エライ物好きのようだが、一応筋は立っており、当人も案外学者だと思わしめられるところもあり、そうして道庵の淡々として胸襟を開いた話しぶりと、城廓を設けぬ交際ぶりに、護送の役人も感心してしまい、これは弥次郎兵衛、喜多八より役者がたしかに上だと思いました。
— 年魚市の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
それもどうやら、今日昨日の附焼刃らしいが、それでも楽しむことを知ることに於て、一応筋は立った話をしている。
— 山科の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
復讐のやけくそよ」 妙な理窟だが、一応筋は通つてゐた。
— 坂口安吾 『女体』 青空文庫
なるほど殺さなくとも自然に自分の物になる財産だということは一応筋が通っているが、正しい筋の裏側にはそれと同量の逆が含まれているのが当然である。
— 坂口安吾 『心霊殺人事件』 青空文庫
殺さなければ財産を失う怖れというものは一ツや二ツの原因理由に限られているものではなくて無数の理由によって生じうることが可能なのだから、かえって一応筋が通っているだけ言い訳にならないと云えるのである。
— 坂口安吾 『心霊殺人事件』 青空文庫
この説に従うと、「足食」も人民の食糧を豊富にする意味に解して、一応筋が通らないこと出ない。
— 下村湖人 『現代訳論語』 青空文庫
」「それも訊いたが、そのとき忘れて来たかも知れないが、気が立っているから思い出さなかった、どうせ伊達煙草だ、なくとも不自由をしないからという逃げ口上さ」「一応筋は通るが――」 平次は深々と考え込みました。
— 矢取娘 『銭形平次捕物控』 青空文庫
お前がこの間話した、嬰児と嬰児を取換えるというのは、一応筋になりそうだが、実はそう容易く行く芸当じゃない。
— 二人浜路 『銭形平次捕物控』 青空文庫