段上
だんじょう
名詞
標準
文例 · 用例
私は自分が子供の時に九段上の広場で見た、手拭を撚ってこしらえた蛇を地上において、それが今に本当の蛇になると云って、その周囲に円を描いて歩きながら、笛を吹いて往来の暇人を釣っていた妙な男の事を思い出した。
— 寺田寅彦 『雑記(2)』 青空文庫
直接五感に触れる万象をことごとく偶然と考えないとすれば、経験が蓄積するにつれて概括抽象が行われ箇々の方則を生じ、これらの方則が蓄積すれば更に一段上層の概括が起る。
— 寺田寅彦 『物質とエネルギー』 青空文庫
』と言ひ/\四五段上つた、中途の上下で欄干越に顔を合はせた。
— 泉鏡太郎 『神鑿』 青空文庫
「じゃあの崖を登って行って見ないか」「行けそうだな」 自分達はそこからまた一段上の丘へ向かった。
— 梶井基次郎 『路上』 青空文庫
人より一段上の自由なものを老人は得て居るらしくはあるが、そこにゆったりと納り込んで独で楽しんでいられるほどその自由に自信と幅を持っていないらしい。
— 岡本かの子 『宝永噴火』 青空文庫
それから又一段上つて、云はば内陣ともあるべき幅一間程の細長い板の間の奥に龕がある。
— 平出修 『夜烏』 青空文庫
従って科学上の問題に比べてむつかしさの程度が一段上にある。
— 寺田寅彦 『相対性原理側面観』 青空文庫
」 西側の、ここの階段上は、戸はあるが、片とざしで開いていた。
— 泉鏡花 『白花の朝顔』 青空文庫