仙人掌
せんにんしょう
名詞
標準
cactus
文例 · 用例
静かな夏の日の独居が私の心をまた小さな仙人掌の刺のうへに留らせ、黄色い名も知れぬ三ツの花のうへにしみじみと飛びうつらす。
— 北原白秋 『桐の花』 青空文庫
都鳥と片帆の玩具を苞に挿した形だ、とうっとり見上げる足許に、蝦蟇が喰附きそうな仙人掌の兀突とした鉢植に驚くあとから、続いて棕櫚の軒下に聳えたのは、毛の中から猿が覗きそうでいながら、却ってさまようものをしばらく彳ませ、憩わせる蔭を見せた。
— 泉鏡花 『雪柳』 青空文庫
その仙人掌に下駄をつまだて、棕櫚に帽子をうつむけなどして、横に曲り縦に通ると、一軒、表二階の欄干を小さな楓に半ば覗かせて、引込んだ敷石に、いま打った水らしい、流れるばかり雫が漾う網代戸を左右に開いた、つい道端の戸口に、色白な娘が一人、芸妓の住居でないから娘だろう。
— 泉鏡花 『雪柳』 青空文庫
」 ふるさとも可懐しい、わずかに洋杖をつくかつかぬに、石磴の真上から、鰻が化けたか、仙人掌が転んだか、棕櫚が飛んだか、ものの逞ましい大きな犬が逆落しに(ううう、わん、わんわん!
— 泉鏡花 『雪柳』 青空文庫
低い、影の蹲ったようないら草の彼方此方から、巨大な仙人掌がぬうっと物懶く突立っていた。
— 宮本百合子 『翔び去る印象』 青空文庫
これは「気候温和にして」と地理の本にもあるような、わがにっぽん国ではちょっと想像出来ないかも知れないが、砂漠と仙人掌と竜舌蘭のすぺいんなんかでは、誰でも或る程度まで体験する感情に相違ない。
— 血と砂の接吻 『踊る地平線』 青空文庫
ガラス張の屋内温室の、棕梠や仙人掌の間に籐椅子がいくつかあり、その一つの上に外国新聞がおきっぱなしになっている。
— 宮本百合子 『スモーリヌイに翻る赤旗』 青空文庫
墓地へ行く道に、巨きな仙人掌が繁つてゐて、いまでも、私、よく覚えてゐるのよ。
— 林芙美子 『浮雲』 青空文庫
作例 · 標準
窓辺に置かれた小さな**仙人掌**が、部屋のアクセントになっている。
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**仙人掌**は乾燥に強く、水やりを忘れがちな私でも育てやすい。
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「うわっ、この**仙人掌**、トゲがすごいね!」と、子供は手を引っ込めた。
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