没了
ぼつりょう
名詞
標準
文例 · 用例
喜楽の中に人間の五情を没了するは世俗の免かるゝ能はざるところながら、われは万木|凋落の期に当りて、静かに物象を察するの快なるを撰ぶなり。
— 北村透谷 『秋窓雑記』 青空文庫
然るにわれ新に悟るところあり、即ち絶大の景色は独り文字を殺すのみにあらずして、「我」をも没了する者なる事なり。
— 北村透谷 『松島に於て芭蕉翁を読む』 青空文庫
絶大の景色に対する時に詞句全く尽るは、即ち「我」の全部既に没了し去れ、恍惚としてわが此にあるか、彼にあるかを知らずなり行くなり。
— 北村透谷 『松島に於て芭蕉翁を読む』 青空文庫
しかし之が爲に彼の美點長處まで全然沒了するのは偏頗である。
— 桑原隲藏 『秦始皇帝』 青空文庫
復活はしたが、漢以後の諡法は次第に骨拔きとなつて、本來の意義を沒了した。
— 桑原隲藏 『秦始皇帝』 青空文庫
人智の開發と文化の促進とに大關係ある印刷術が發明されても、紙の發明が之に伴はなかつたならば、其效用の大半を沒了したであらう。
— 桑原隲藏 『紙の歴史』 青空文庫