綯い交ぜ
ないまぜ
名詞
標準
文例 · 用例
謀計と性欲との二つを綯い交ぜにして、人を倦ませないように筋を運ばせて行くのが、作者の唯一の手柄である。
— 森鴎外 『青年』 青空文庫
これより妾の使いまする独楽は、その四国太夫の製法にかかわる、直径一尺の孕独楽、用うる紐は一丈と八尺、麻に絹に女の髪を、綯い交ぜにしたものにござります。
— 国枝史郎 『仇討姉妹笠』 青空文庫
生れつき善良さと悪意のない観察眼とを半ばずつ綯い交ぜながら愛想よく多代子が、若い女客をもてなしている。
— 宮本百合子 『夜の若葉』 青空文庫
従って、そういう運動に参加していた時に一人一人の人間的なプラス、マイナスは運動の方向、実践の中に綯い交ぜられていたのであり、ある場合には全体の方針の健全さの中に個人のマイナスなものが消されていた。
— ――文芸時評―― 『ヒューマニズムへの道』 青空文庫
最後の会話を終えて退出した際に彼がみせた恐怖と解放が綯い交ぜになった状態を、三時間後ウォードの逃走が発見された時、何人かが思い出した。
— H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft 『チャールズ・デクスター・ウォードの事件』 青空文庫
青ざめ、決然と、厳粛に、勝利と真剣さが綯い交ぜになった恐怖の表情で。
— H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft 『チャールズ・デクスター・ウォードの事件』 青空文庫
ウォード夫人は恐怖と盲目的な母の強さに綯い交ぜになりながら扉に近寄り、締切られた羽目板を恐る恐る叩いた。
— H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft 『チャールズ・デクスター・ウォードの事件』 青空文庫
やがて手とハンカチが真相を明らかにし、ブレイクは綯い交ぜになった情動に当惑し息を飲んだ。
— H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft 『闇をさまようもの』 青空文庫