梳き櫛
すきぐし
名詞
標準
文例 · 用例
「この櫛に覚えはないか」 平次は八五郎から受取った、死体の袂にあったという梳き櫛を見せました。
— 棟梁の娘 『銭形平次捕物控』 青空文庫
ところでお紺さん、この櫛に見覚えがあるだろうな」 平次は例の髪の毛を巻いた梳き櫛を出して見せると、「あ、どこにあったんです。
— 棟梁の娘 『銭形平次捕物控』 青空文庫
これはお萩が湯へ行くとき持って行った、あの娘の梳き櫛に違いありません」 四十前後、出戻りの叔母のお紺は、名代の金棒曳であるにしても、正直者で純情家らしい女でした。
— 棟梁の娘 『銭形平次捕物控』 青空文庫
さんざん考えた揚句、湯へ行くので持っていた黄楊の梳き櫛に、自分の毛を五六本抜いて巻きつけ、万兵衛の袂にそっと入れた。
— 棟梁の娘 『銭形平次捕物控』 青空文庫
飛んで行くんだぜ」「合點ツ――だがね、一つだけ言つて置き度えことがあるんだが」「何だい、早く申上げて了ひな」「今朝この圍ひの中で、女物の櫛を拾ひましたよ」「何處にあるんだ」「これですよ、あつしが拾つたんで」 八五郎は懷紙に包んだ黄楊の梳き櫛を一つ、平次の手に載せました。
— 梅吉殺し 『錢形平次捕物控』 青空文庫
」「お仲と、お榮だけでございます」「この櫛はふだん何處に置いてあるんです」「ツイ隣の納戸の鏡臺の上に置いてあります」「持つて歩くやうな事はないでせうな」「梳き櫛ですもの」 大きな黄楊の梳き櫛を、大家の内儀が髮に差して歩く筈もありません。
— 梅吉殺し 『錢形平次捕物控』 青空文庫
第一にこの黄楊の櫛だ」「それが何うかしましたかえ」「この櫛はお内儀のお篠さんのだが、どんな間拔な下手人だつて、梳き櫛を持つて殺し場へ行く女はあるまい」「――」「それをわざ/\捨てて來るのは、大間拔けでなきや、恐ろしい智慧者だ」「――」 ガラツ八は默つて眼を見張りました。
— 梅吉殺し 『錢形平次捕物控』 青空文庫
「この櫛に覺えはないか」 平次は八五郎から受取つた、死體の袂にあつたといふ梳き櫛を見せました。
— 棟梁の娘 『錢形平次捕物控』 青空文庫