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詩性

しせい
名詞
1
標準
文例 · 用例
何故なら詩性に乏しい現今は、兎角、あまりに貧弱なモチーフを取上げることから、多くの詩が妙な複雑に堕しがちである。
中原中也 菊岡久利著「貧時交」 青空文庫
言換れば、彼の詩には猶事象そのことに対個人的な興味――結局これは詩に於ては散文に於けるよりも一層散文的なものとして留るもの――があつて、それが詩性を少しく散漫にしてゐると思ふのである。
中原中也 菊岡久利著「貧時交」 青空文庫
黒雲|悉く魔なるに非ず、大気悉く毒なるにあらず、啻黒雲に魔あり、大気に毒ある事を難ぜんとするは、実際世界を見るも実世界以外を見ること能はざる非詩性論者の業として、放任して可なり。
北村透谷 「油地獄」を読む 青空文庫
詩性ある者が景勝の地に来りて、神動き気躍るは至当の理なり、然れども景勝の地に僅に造化が包裡する粋美の一端なる事を知ば、景勝其自身に対する観念は甚だ大ならずして、景勝を通じ風光を貫いて造化の秘蔵に進み、其粋美を領得するは豈詩人の職にあらずや。
北村透谷 松島に於て芭蕉翁を読む 青空文庫
このことを逆にみれば、散文の著作では従来男のかいた論文の調子にそれなり追随する結果ともなって、晶子でなければ求められない論調の表現、リズム、詩性にまでたかめられた理性の光波というものは、見出されないままに止まったのである。
宮本百合子 婦人と文学 青空文庫
ひとたびは絶望した自身の詩性への自信が、どこから甦り何をよりどころとして再び獲られたのであったろう。
宮本百合子 婦人と文学 青空文庫
その詩性についての私の解釈の誤っていなかったことも確実となって。
一九三九年(昭和十四年) 獄中への手紙 青空文庫
新しい詩性のタイプなわけだから。
一九三九年(昭和十四年) 獄中への手紙 青空文庫