愁々
愁々
名詞
標準
文例 · 用例
だが毎晩聞えるのでは無く、月も星も無い嵐の晩に、愁々として聞えるのであった。
— 国枝史郎 『天主閣の音』 青空文庫
と、虫の鳴くような細い音が、愁々乎として響いて来た。
— 怪談抜地獄 『釘抜藤吉捕物覚書』 青空文庫
薄暗い燈火の下には大勢の旅役者やおへんろさんや、子供を連れた漁師の上さんの中に混って、私も何だか愁々として旅心を感じている。
— 林芙美子 『新版 放浪記』 青空文庫
(十月×日) 窓外は愁々とした秋景色である。
— 林芙美子 『新版 放浪記』 青空文庫
十一月×日 愁々とした風が吹くようになった。
— 林芙美子 『放浪記(初出)』 青空文庫
薄暗い灯の下に大勢の旅役者やおへんろさんや、子供を連れた漁師の上さんの中に混って、私も何だか愁々とした旅心を感じた。
— 林芙美子 『放浪記(初出)』 青空文庫
十月×日 窓外は愁々とした秋景色。
— 林芙美子 『放浪記(初出)』 青空文庫
仲にはさまった身にとれば、ずいぶん無理なと思うでしょうが、あなたが妹と約束のあるお方とは、夢にも、知、知らなかったお綱ですもの……」 思わずむせばす声が、愁々として腸を掻きむしるように、小舟の内からあたりの闇へ洩れて行った。
— 船路の巻 『鳴門秘帖』 青空文庫