鳥虫
とりむし
名詞
標準
文例 · 用例
草木鳥虫の小さな精と忍びやかに語るのもこの時。
— 薄田泣菫 『雨の日に香を燻く』 青空文庫
此は、屡繰り返された事で、後の神楽・催馬楽・風俗・東遊、或は、古今集の大歌所の歌、梁塵秘抄の一部、ずつと降つて、後奈良院御撰を伝へる山家鳥虫歌の類に到るまで、大なり小なり、此目的を含んで居ないものはない。
— 折口信夫 『万葉集のなり立ち』 青空文庫
そうして大抵は老人か女か子供、忙がしい働き手はそんなことを考えている余裕もないから、世の中が段々ませて来ると、もう鳥虫の歌は今日の舶来の歌の如く、意味は何でも構わぬという音楽になるのである。
— 野鳥雑記 『野草雑記・野鳥雑記』 青空文庫
単に目に見えぬ害鳥虫をあらかじめ駆逐し、または果樹を叩いてその木を豊産になしえたのみならず、若い女性の腰を打てば、みごとな児を生むとさえ信じていた時代があった。
— 柳田国男 『こども風土記』 青空文庫
今度はもう一度、個々の人から世を始めようといふに臨んで、是をもし考へて見なかつたら、或は鳥虫よりも前に戻つてしまふことになるかも知れない。
— 柳田國男 『家を持つといふこと』 青空文庫
鳥を配し虫を配するだけなら敢て珍とするに足らぬが、鳥虫交錯の世界を描いたところに、桜の句としてはいささか異色がある。
— 柴田宵曲 『古句を観る』 青空文庫