膨れ
ふくれ
名詞頻度ランク #17382 · 青空 0 例
標準
scab
文例 · 用例
頬の恐ろしく膨れた、大きなどてらを着た人相のよくない男が艫の甲板の蓆へ座をしめてボーイの売りに来た菓子を食っている。
— 寺田寅彦 『高知がえり』 青空文庫
その煙の奥の方から本郷の方へと陸続と避難して来る人々の中には顔も両手も癩病患者のように火膨れのしたのを左右二人で肩に凭らせ引きずるようにして連れて来るのがある。
— 寺田寅彦 『震災日記より』 青空文庫
山一つさえその通り――「まだそのときのわたくしは、きしゃな細火を背骨にし、べよべよ撓るほどの溶岩を一重の肋骨として周りに持ち、島山の中央の断れ目から島地の上へ平たく膨れ上っただけの山でした」 世の中は、ただうとうとと、あま葛の甘さに感じられた。
— 岡本かの子 『富士』 青空文庫
君は見違えるほど体など肥って来たようだがね」 事実、柚木はもとよりいい体格の青年が、ふーっと膨れるように脂肪がついて、坊ちゃんらしくなり、茶色の瞳の眼の上瞼の腫れ具合や、顎が二重に括れて来たところに艶めいたいろさえつけていた。
— 岡本かの子 『老妓抄』 青空文庫
これは月と太陽との引力のために起るもので、月や太陽が絶えず東から西へ廻るにつれて地球上の海面の高く膨れた満潮の部分と低くなった干潮の部分もまた大体において東から西へ向かって大洋の上を進んで行きます。
— 寺田寅彦 『瀬戸内海の潮と潮流』 青空文庫
これも粗末ではあるが、鼠色がかった白釉の肌合も、鈍重な下膨れの輪郭も、何となく落ちついていい気持がするので、試しに代価を聞いてみると七拾銭だという。
— 寺田寅彦 『ある日の経験』 青空文庫
小初は、「がったん、すっとこ、がったん、すっとこ」そういいながら、あらためて前に組み合せた両肘の上に下膨れの顔を載せて眠りそうな様子をする。
— 岡本かの子 『渾沌未分』 青空文庫
おそらく噛みながら吸い取った毛虫の汁で腹が膨れた結果かもしれない。
— 寺田寅彦 『蜂が団子をこしらえる話』 青空文庫
作例 · 標準
転んでできた膝の傷に大きな膨れができた。
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傷の膨れが取れるまで、触らないように気をつけた。
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膨れの下では新しい皮膚が作られている。
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