衒
衒
名詞
標準
文例 · 用例
しかし、派手の特色たるきらびやかな衒いは「いき」のもつ「諦め」と相容れない。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
江戸褄の下から加茂川染の襦袢を見せるというので「派手娘江戸の下より京を見せ」という句があるが、調和も統一も考えないで単に華美濃艶を衒う「派手娘」の心事と、「つやなし結城の五ほんて縞、花色裏のふきさへも、たんとはださぬ」粋者の意中とには著しい隔りがある。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
用もないのにむやみに外来語を使いたがる稚気と、僅ばかりの外国語の知識をやたらにふりまわしたがる衒気とが民衆にないとは決していえない。
— 九鬼周造 『外来語所感』 青空文庫
西洋人の思想を受賣りするより外に能なき衒學屋と流行屋を葬れ。
— 萩原朔太郎 『散文詩・詩的散文』 青空文庫
幼兒と聖人は神に聽かれんために祈祷し、衒學者及び説教者は傍人に聽かれんために祈祷す。
— 萩原朔太郎 『散文詩・詩的散文』 青空文庫
幼兒の眞實を嘲笑するものは必ず衒學の徒なり、萬葉集の詠嘆は單純なれども千載の後その光を失ふことなし。
— 萩原朔太郎 『散文詩・詩的散文』 青空文庫
彼等は衒学的なものを嫌い、貴族的な尊大感に反抗し、民衆的な気取らない直情主義で、率直に思想を語ろうとした。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
日本に於ける大抵の文学流派は、皮相なジャーナリズムの影響であり、西洋新聞の文芸欄や政治欄を、新人気取りの新しがりと衒学さで、軽薄に受け取ったものにすぎないのだ。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫