出際
でぎわ
名詞
標準
the time of setting out
文例 · 用例
「今日は出際にお客さんがありはしたし……明日立つたら……」 母が「甘い」とよく彼が言ふので、また言はれはしまいかと思つて、遠慮深さうにさう言つた時、彼はさすがに「甘い」とはいはれなかつた、却つて自分の方が「甘い」だつたのだ。
— 中原中也 『分らないもの』 青空文庫
出際に上り口から頭を出して『お早よう』と言いさま、妙に笑って頭を掻いて見せまして『いずれおわびは帰ってから』と、言い捨てて出て参りました。
— 国木田独歩 『女難』 青空文庫
」 萱の軒端に鳥の声、という侘しいのであるが、お雪が、朝、晩、花売に市へ行く、出際と、帰ってからと、二度ずつ襷懸けで拭込むので、朽目に埃も溜らず、冷々と濡色を見せて涼しげな縁に端居して、柱に背を持たしたのは若山|拓、煩のある双の目を塞いだまま。
— 泉鏡花 『黒百合』 青空文庫
しかし、その出際に、彼は異様に熱の罩もった眼で、扉並びの右手の羽目に視線を落した。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫
明日、午後三時より三時半までのあいだ、東二十四番街のリクリェーション埠頭の出際、「老鴉」なる酒場にてお待ち申しおり候、目印しは、ジルベーのジンと書いてある貼紙の下。
— 遊魂境 『人外魔境』 青空文庫
出際にまたしても地響をさせて通る汽車に驚いて、「よくお兄様は我慢なさるのね」といいますと、次兄は、「嫌だろうけど、外になかったから」と、割合に平気です。
— 小金井喜美子 『鴎外の思い出』 青空文庫
どうかすると出際に混雑して踏み蹂られて死んだというような事も折々あるです。
— 河口慧海 『チベット旅行記』 青空文庫
遠い所へわざわざお越しに及ばぬ、下僕だけやってあなたはこっちに待って居るがいいという話だから」といい聞かせますと、下僕はその書面と出際に私共が持って来たところの一通の書面――それには総管の印が捺してあります――とを持って、荷物はなし身軽ですから、一散に走って後戻りをして行きました。
— 河口慧海 『チベット旅行記』 青空文庫
作例 · 標準
まるで木偶の坊(でくのぼう)のように、ただ座っているだけだ。
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彼は何も分かっていない、まるで木偶の坊(でくのぼう)だ。
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指示されたことしかやらない木偶の坊(でくのぼう)には、創造性は期待できない。
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