画仙
がせん
名詞
標準
master painter
文例 · 用例
枕元には琺瑯質の鍋だの西洋皿だのが狼藉としてゐて、その間に墨の桐箱と墨の塗沫された画仙紙の上に水筆が転がつてゐた。
— 岡本かの子 『花は勁し』 青空文庫
こうして一家の人々から款待されて、澹山の方でもひどく喜んで、自分の居間として貸して貰った離れ座敷を画室として、ここでゆっくりと絵絹や画仙紙をひろげることになると、伝兵衛も自分の家の屏風や掛物は勿論、心安い人々をそれからそれへと紹介して、澹山のために毎日の仕事をあたえてくれた。
— 旅絵師 『半七捕物帳』 青空文庫
来合わせていた某の画家が、そこにあった画仙紙などを拡げて、とぼけた漫画の筆を揮った。
— 徳田秋声 『黴』 青空文庫
然るに、女中は洗濯をしており、正夫は縁側にねころんで色鉛筆で画仙紙をぬりたくっており、そして当の山根さんは、茶の間の長火鉢の前に、いつもの通りどっしりと控えて、卓袱台の上にマニキュアのセットをひろげて、爪を磨いてるところだった。
— ――「小悪魔の記録」―― 『南さんの恋人』 青空文庫
運平老は、座敷に画仙紙をひろげて、絵を描いているところだったが、恭一と次郎とが挨拶に行くと、老眼鏡を隆い鼻先にずらして、じろりと二人の顔を見た。
— 第二部 『次郎物語』 青空文庫
画仙紙には、えたいの知れない線や点がべたべたとなすられていた。
— 第二部 『次郎物語』 青空文庫
「兄さんがせんなら僕もせーん。
— 中原中也 『その頃の生活』 青空文庫
水車のあたりは、何にもありません、流がせんせんと響くばかり静まり返ったものです。
— 泉鏡花 『半島一奇抄』 青空文庫
作例 · 標準
彼は、仙人が描いたかのような幽玄な山水画で知られ、人々から画仙と称えられた。
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酔うほどに筆が冴え渡るというその絵師は、まさに画仙の風格を漂わせていた。
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俗世を離れて山にこもり、ひたすら絵の道を追求した彼は、いつしか画仙と呼ばれるようになった。
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この掛け軸に描かれた龍は、画仙と謳われた作者の気迫が伝わってくるようだ。
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