幻辞.com

抜合

ぬけあい
名詞
1
標準
文例 · 用例
某が刀は違棚の下なる刀掛に掛けあり、手近なる所には何物も無之故、折しも五月の事なれば、燕子花を活けありたる唐金の花瓶を掴みて受留め、飛びしざりて刀を取り、抜合せ、ただ一打に相役を討果たし候。
森鴎外 興津弥五右衛門の遺書(初稿) 青空文庫
そうして、いったん白刃を抜合う以上、相手を倒さねば、必ずこちらが殺されてしまう。
坂口安吾 青春論 青空文庫
だが抜合わせてはならない。
第三部 樅ノ木は残った 青空文庫
』 と、刀を抜合せて、烈しく斬返して来た。
吉川英治 夕顔の門 青空文庫
ご不審を受けたも尤もでござるが、この新九郎と申す者は拙者の弟でござりますが、性来の小胆者、その上お恥しいが武芸嫌いで太刀持つ術も知りませぬゆえ、かような場合に出会っても兄と共に抜合せもせず、ご覧のとおり蒼ざめて物蔭に隠れていたのでござる。
吉川英治 剣難女難 青空文庫
いや、叫んだときは、とっさに抜合せていたのである。
あしかが帖 私本太平記 青空文庫