軽暖
けいだん
名詞
標準
文例 · 用例
たとえば、我が母から新しく与えられた衣服があるとすると、その美しく軽暖であるのを悦んで、旧衣が未だ破れていないのに之を着用して、旧衣を箪笥の中に押し丸めたまま、黴と垢とで汚させて、新衣を早くも着崩して、折目も見えないようにするようなことは、惜福の工夫が無いのである。
— 幸田露伴 『努力論(現代訳)』 青空文庫
軽暖を着て安宅に居るを好むは人の性情なり。
— 福沢諭吉 『学問のすすめ』 青空文庫
古袷著て軽暖にをりにけり喧騒の蛙の声の中に読む五月八日 玉藻俳句会。
— 高浜虚子 『五百五十句』 青空文庫
軽暖や坐臥進退も意のまゝに五月十六日 深川正一郎歓迎句会。
— 高浜虚子 『五百五十句』 青空文庫
軽暖に病むといふ程にてはなし五月三十一日 昨夜新大阪ホテルに一泊。
— 高浜虚子 『六百句』 青空文庫
軽暖の日かげよし且つ日向よし六月三日 句謡会。
— 高浜虚子 『六百句』 青空文庫
吾が慈母よりして新たに贈られたる衣服ありと假定すれば、其の美麗にして輕暖なるを悦びて、舊衣猶ほ未だ敝れざるに之を着用して、舊衣をば行李中に押まろめたるまゝ、黴と垢とに汚さしめ、新衣をば早くも着崩して、折目も見えざるに至らしむるが如きは、惜福の工夫の無いのである。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
輕暖の空氣の中には草木の香みち/\て、美しき甲蟲あまた我等の身邊に飛びめぐれり。
— IMPROVISATOREN 『即興詩人』 青空文庫