面形
めんがた
名詞
標準
文例 · 用例
しかしこの關係は、專ら詩と音樂との外面形式に就いて言はれたのである。
— 萩原朔太郎 『青猫』 青空文庫
かと思へば、目の前に近いのは、あらう事か、鬼の首を古綿で面形に取つた形に、靄がむら/\と瓦斯燈の其の消えたあとに蟠つて、怪しく土蜘蛛の形を顯し、同じ透間から吹く息も、これは可恐しい絲を手繰つて、天へ投掛け、地に敷き展べ、宙に綾取る。
— 泉鏡太郎 『三人の盲の話』 青空文庫
耳まで裂けた大口を開いて、上から境を睨め着けたが、「これは、」 と云う時、かっしと片腕、肱を曲げて、その蟹の甲羅を面形に剥いで取った。
— 泉鏡花 『星女郎』 青空文庫
「先生方にはただの木の面形でござれども、現に私が試みました。
— 泉鏡花 『星女郎』 青空文庫
その面形のごとく凹んだ面の、眉毛の薄い、低い鼻に世の中を何と睨んだ、ちょっと度のかかった目金を懸けている名代の顔が、辻を曲って、三軒目の焼芋屋の灯に照された時、背後から、錆びたずんぐりした声で、「源じゃあねえか、おい、源坊。
— 泉鏡花 『湯島詣』 青空文庫
「おい、どうした君、歩けないかね」 ケルミッシュが、おそらく老年の豹でもあるいたらしい泥濘の穴に足をとられ、ぺたりと、面形を地につけ動けなくなってしまった。
— 天母峰 『人外魔境』 青空文庫
ところが、その際に出来た面形が、あるいはその後、温泉の噴出が止むと同時に干上がってしまったのではないかと思われたのです。
— 小栗虫太郎 『白蟻』 青空文庫
そして、貴方はその場で気を失い、鵜飼邦太郎は、先に作られた面形に顔を埋めたまま、その場を去らず、強直したのではないかと思われました。
— 小栗虫太郎 『白蟻』 青空文庫