舎屋
しゃや
名詞
標準
文例 · 用例
蒸々と悪気の籠った暑さは、そこらの田舎屋を圧するようで、空気は大磐石に化したるごとく、嬰児の泣音も沈み、鶏の羽さえ羽叩くに懶げで、庇間にかけた階子に留まって、熟と中空を仰ぐのさえ物ありそうな。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
散策子は踵を廻らして、それから、きりきりはたり、きりきりはたりと、鶏が羽うつような梭の音を慕う如く、向う側の垣根に添うて、二本の桃の下を通って、三軒の田舎屋の前を過ぎる間に、十八、九のと、三十ばかりなのと、機を織る婦人の姿を二人見た。
— 泉鏡花 『春昼』 青空文庫
質素な小さい部屋で、低い天井、大きい暖炉、いかにも田舎屋敷風である。
— THE ADVENTURE OF THE SPECKLED BAND 『まだらのひも』 青空文庫
私が曾て、逗子に居た時分その魔がさしたと云う事について、こう云う事がある、丁度秋の中旬だった、当時田舎屋を借りて、家内と婢女と三人で居たが、家主はつい裏の農夫であった。
— 泉鏡花 『一寸怪』 青空文庫
氷山を隣に持った小屋のような田舎屋である。
— 森鴎外 『青年』 青空文庫
このあとに、タイトルを入れて、もういちど校舎屋上からのショットにつなぐ、というのが、高志が考えたシナリオだった。
— 第1章 ローラーコースター、1966年 『45回転の夏』 青空文庫
そのうちで大和の地震はかなり大きかったと見えて、「書紀」にも「七年夏四月乙未朔、辛酉、地動き、舎屋悉く破る、即ち四方に令し、地震の神を祭らしむ」と言ってある。
— 田中貢太郎 『日本天変地異記』 青空文庫
その鎌倉の地震のうちで大きかった地震は、建保元年五月の地震で、それには大地が裂け、舎屋が破壊した。
— 田中貢太郎 『日本天変地異記』 青空文庫