食法
しょくほう
名詞
標準
文例 · 用例
とうとう明神下の神田川まで草臥れ足を引摺って来たのが九時過ぎで、二階へ通って例の通りに待たされるのが常より一層待遠しかったが「こうして腹を空かして置くのが美食法の秘訣だ、」と、やがて持って来た大串の脂ッこい奴をペロペロと五皿平らげた。
— 内田魯庵 『二葉亭余談』 青空文庫
乳母はまるで気の狂つたやうに、乞食法師のもとへ走り寄つた。
— 芥川龍之介 『六の宮の姫君』 青空文庫
西洋料理屋の食品は肉沢山の野菜少で日本化せられているが、食法に箸を使わんのは日本化していない。
— 春の巻 『食道楽』 青空文庫
僕は食法を日本化して以来は西洋料理に箸を用いさせる事にしたい。
— 春の巻 『食道楽』 青空文庫
」 これにはさすがの私もしばらくの間は呆れ果てて、二の句をつぐ事さえ忘れて居りましたが、甥は若い者らしい、一図に思いつめた調子で、「何、高があの通りの乞食法師です。
— 芥川龍之介 『邪宗門』 青空文庫
事を用ふるを好み給へる、法皇は、知康の暴挙に賛し、竊に、南都北嶺の僧兵及乞食法師辻冠者等をして、義仲追討の暴挙に与らしめ給へり。
— 芥川龍之介 『木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)』 青空文庫
もっともこの時代には、普通の人民が遠方に旅行をすると云うことは少く、長途の旅行を常に行うものは、大抵廻国の頭陀か、浮浪民かで、いわゆる一処不住の旅芸人、或いは渡り職人、旅商人とか、乞食法師とかの類であったが、かかる類の者は、善根宿として修行者を宿泊せしめる場合のほかは、普通の民家には宿泊を許さない。
— 喜田貞吉 『賤民概説』 青空文庫
これらの霊験談は、世の不信者に対して乞食法師を尊敬優待すべきことを示すべき必要なる教訓談ではあろうが、その一面には事実上彼らが、その当時往々世間から馬鹿にされた場合の多かったことを示しているものだと言わねばならぬ。
— 喜田貞吉 『俗法師考』 青空文庫