物問いたげ
ものといたげ
形容動詞
標準
inquisitive (e.g. look)
文例 · 用例
」 兄さんはそう言って屈託なく笑って帰りましたけれど、私は勝手口に立ったままぼんやり見送り、それからお部屋へ引返して、母の物問いたげな顔にも気づかぬふりして、静かに坐り、縫いかけの袖を二針三針すすめました。
— 太宰治 『誰も知らぬ』 青空文庫
この青く清らにて物問いたげに愁いを含める目の、半ば露を宿せる長き睫毛に掩われたるは、何故に一顧したるのみにて、用心深きわが心の底までは徹したるか。
— 森鴎外 『舞姫』 青空文庫
その唇は相変らず謎めいた微笑を浮べ、眼は少し横合いから物問いたげに、考え深そうに、優しげにわたしを見まもっていた……あの別れた瞬間とそっくりそのままの眼差しだった。
— ツルゲーネフ 『はつ恋』 青空文庫
もはやその左の眼もまったく瞬きをしなかったが、しかし一方の眉だけは、まだ何やら物問いたげに釣りあがっている。
— または チチコフの遍歴 第一部 第二分冊 『死せる魂』 青空文庫
焚火の前には彼より先に熊の胴服を寛々と着て小手脛当で身を鎧った、頬髯の黒い、総髪の一人の荒武者が腰かけていたが、数馬、武兵衛の姿を見ると審かしそうな顔付きをして物問いたげに修験者の方へ鷲のような眼をツト走らせた。
— 国枝史郎 『蔦葛木曽棧』 青空文庫
パトラッシュは、物問いたげにネロの顔を見上げました。
— A Dog of Flanders 『フランダースの犬』 青空文庫
中年 (物問いたげにしている青年を見て笑い出し)ハハハなにね、此処のばさまは、物見に出歩くじゃ無し、三百六十五日、野良着で働くだけで、食うものにも着るものにも、まるっきり慾はなしね。
— 三好十郎 『おりき』 青空文庫
」「物問いたげだったから引き返してしまったの。
— 室生犀星 『津の国人』 青空文庫
作例 · 標準
彼は物問いたげな目でこちらを見つめていた。
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その犬は、何か言いたげに物問いたげな表情で私の顔を見た。
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彼女の物問いたげな視線に、私は答えを探した。
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