禿筆
とくひつ異読 ちびふで
名詞
標準
worn-out brush
文例 · 用例
駒ヶ岳の麓、台ヶ原の客舎に昼餐を了りたる束の間に、禿筆を舐ぶりて偶感を記す、その文を成さざる、冀くは我が興の高きを妨ぐるなからむ。
— 小島烏水 『山を讃する文』 青空文庫
吉井勇氏の戯曲「一本腕と一本足」を見出したが、氏の近詠、物部川夕さりくれば水たぎつ音さらさらと聴え初めけり――と声を立てながら無断引用を為し、遥かに朝臣の盃の夢の健かを望みながら、意を尽し得なかつた禿筆を擱く。
— 牧野信一 『月評』 青空文庫
好文不如好酒乎 禿筆文をなす、気のいかぬかぎりなり。
— 堺利彦 『貧を記す』 青空文庫
この日記の文字を見て禿筆のいかに失なるかを思うべし。
— 堺利彦 『貧を記す』 青空文庫
卒塔婆の新しいのに、和尚さんが例の禿筆をとったのがあちこちに立っている。
— 田山花袋 『田舎教師』 青空文庫
禿筆を用ゐて作つた草体が奔放を極めてゐる。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
我輩は満天下の人を相手にしても一片の禿筆以て之を追求して仮す所なかる可し。
— 福沢諭吉 『新女大学』 青空文庫
その橋の傍に一柱の掲示ありて、浴客の外渡る事を禁ず、瀧温泉守と禿筆の跡見惡し。
— 田山花袋 『日光山の奧』 青空文庫
作例 · 標準
長年愛用したこの禿筆では、もう思うような線が引けない。
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道具を大切にしない彼の机には、毛の抜けた禿筆が転がっている。
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禿筆であっても、熟練の書家が使えば見事な作品が生まれる。
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標準
my poor writing
作例 · 標準
「お恥ずかしい限りの禿筆ですが、お受け取りください」と添えて手紙を渡した。
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謙遜して自分の書を禿筆と呼ぶが、彼の字は非常に美しい。
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禿筆を弄して感想を綴ってみたが、感動を十分に伝えきれない。
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