縦筋
たてすじ
名詞
標準
文例 · 用例
翁は、頭なりに黄帽子を仰向け、髯のない円顔の、鼻の皺深く、すぐにむぐむぐと、日向に白い唇を動かして、「このの、私がいま来た、この縦筋を真直ぐに、ずいずいと行かっしゃると、松原について畑を横に曲る処があるでの。
— 泉鏡花 『小春の狐』 青空文庫
この種族の婦人という者はその下顎に三つの縦筋を描いて居る。
— 河口慧海 『チベット旅行記』 青空文庫
原稿を書いたり芝居の稽古をつけたりしてゐるので、勤めといつては別にないのですが、と正直に答へると、忽ちその横皺へ縦筋が入つて、私どもの家作はすべて拓務省大蔵省あるひは三井三菱といふやうなところへお勤めの方ばかり入つてゐられるのでして、といふ言ひ方だつた。
— 高田保 『貸家を探す話』 青空文庫
ではその拓務大蔵三井三菱へ勤めてゐる人間に保証さしたら貸しますか、と私はその横皺と縦筋とこんがらかつた鼻の上の格子縞のやうなものを目がけて切り込んだ。
— 高田保 『貸家を探す話』 青空文庫