赤ペン
あかぺん
名詞
標準
文例 · 用例
従来なら赤ペン片手にある種の決意をもって「えいやっ」と直しを書き入れていたものが、キーボードの操作で跡を残さず変えられるとなって、変更に対する精神的な縛りが一挙に弱まった。
— 富田倫生 『青空のリスタート』 青空文庫
赤ペンキの看板がそれから、それへと続いた。
— 夏目漱石 『それから』 青空文庫
同時に東京で出来る秘密画の最近傾向として、或る残忍な画題が喜ばれて来た事は、前記、活動の絵看板の赤ペンキと同様注目に価する。
— 夢野久作 『東京人の堕落時代』 青空文庫
仕上った機械の新鮮な赤ペンキの油ッ臭い匂いがプン/\鼻にきた。
— 小林多喜二 『工場細胞』 青空文庫
不幸のあった米本の筋向うに、赤ペンキを生々しく塗ったポストがある。
— 松本泰 『秘められたる挿話』 青空文庫
十段ばかり上ると、そこに巌丈な鉄扉があって、その上に赤ペンキで、重大らしい符牒が無雑作に書かれてあった。
— 海野十三 『空襲葬送曲』 青空文庫
まるで、赤ペンキを、一面に、なすりつけたような恐ろしい色彩だったが、暗黒の中の出来事とて、それに気のつく者が無かったのは、不幸中の幸だった。
— 海野十三 『空襲葬送曲』 青空文庫
水準線から下の赤ペンキをぬった船腹がはっきりと見られた。
— 海野十三 『海底大陸』 青空文庫