石片
せきへん
名詞
標準
文例 · 用例
石片又は熔巖の塊ありて、歩ごとに滾り落つるが故に、縱に列びて登るに由なし。
— IMPROVISATOREN 『即興詩人』 青空文庫
深い井戸へ石片を抛げ込んだ時と調子は似ているが、普通の井戸よりも、遥に深いように思われた。
— 夏目漱石 『坑夫』 青空文庫
(二)石切場内には大小無数の石片石塊と、石工の作業の跡、及、街道より散入したる藁、紙、草鞋、蹄鉄片、その他凡百の塵芥類似の物のほか、特に注意すべき遺物を認めず。
— 夢野久作 『ドグラ・マグラ』 青空文庫
一八六三年、フランスのトノン氏(L'abbe Thenon)は、このクレート島において古文を彫刻してある一個の石片を獲たが、氏はその文を「考古学雑誌」(Revue archeologique)に掲載してこれを学界に紹介した。
— 穂積陳重 『法窓夜話』 青空文庫
この石片は後ちにルーブル博物館に陳列せられたが、これに刻んである文辞は、断片的ではあるけれども、養子に関する法律の規定であって、多分有名なるゴルチーン法の一部であろうとの考証を与えられた。
— 穂積陳重 『法窓夜話』 青空文庫
しかるにこの後ち十七年を経て、アウッスーリエー氏(Haussoulier)もまた二個の石片を発見して、これを「ブュルタン・ド・コルルスポンダンス・エレニーク」(Bulletin de correspondance hellenique)誌上において公表した。
— 穂積陳重 『法窓夜話』 青空文庫
この前後二回の発見は、あたかもペルシアでアッスルバニパル王の図書館の遺跡を発掘した際に発見した石片が、ハムムラビ法典発見の先駆となった如くに、その後ち学者は必ずやどこかにおいてこの法律の全部を発見することが出来るに違いないとの希望を抱くようになった。
— 穂積陳重 『法窓夜話』 青空文庫
しかのみならず、さきに発掘せられた数個の石片は、実にこの石壁の破片であって、トノンの発見した石片の文は、その法律の第五十八条乃至第六十条であり、アウッスーリエーの発見した二片は、第三十九条と第四十八条であるということが分ることとなった。
— 穂積陳重 『法窓夜話』 青空文庫