目やに
めやに
名詞
標準
eye mucus
文例 · 用例
固より身をやつす色氣十分の男であるから、道中笠の中ながら目やにのついた顏は、茶店の婆にも覗かせたくない。
— 泉鏡太郎 『二た面』 青空文庫
見ると、そのさるまわしはもう五十をすぎた老人で、腰はよぼよぼと弓のごとく曲がり、目にはいっぱいの目やにがたまって、顔は赤黒く日にやけ、いかにも見すぼらしいかっこうでした。
— 血染めの手形 『右門捕物帖』 青空文庫
朝は目やにで目をあけるのに苦しむこともあるほどであつた。
— 島木健作 『盲目』 青空文庫
板にはたいのような形が彫ってあるので、じいさんはそれにメリケン粉をどろりと流す、それから目やにをちょっとふいてつぎにあんを入れその上にまたメリケン粉を流す。
— 佐藤紅緑 『ああ玉杯に花うけて』 青空文庫
おとといは目をしょぼつかせてこすっていたが、今朝は目やにがたくさん出て目があかなくなってしまった。
— 永井隆 『ロザリオの鎖』 青空文庫
目やにに汚れた顔を見ると、しみじみ落ちぶれたのを感じる。
— 永井隆 『ロザリオの鎖』 青空文庫
目のわるい奥さんは、朝おきるといつも目やにがたまっているのです…… ここだけはほんとのことなので、思わずくすっと笑ったとき、空想は霧のように消えてしまった。
— 壺井栄 『二十四の瞳』 青空文庫
きれいに澄んだ十二の瞳、一重まぶたの細い目、くるくるした丸い目、目やにでよごれた目もある。
— 壺井栄 『赤いステッキ』 青空文庫