顧望
こぼう
名詞
標準
文例 · 用例
顧望しつゝ過ぐれば。
— 長塚節 『草津行』 青空文庫
郊に出て顧望するときは高崎城を見る。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
中流微雨の中に顧望す、幽にして靜なる哉。
— 大町桂月 『春の郊外』 青空文庫
三成は、一寸攻めよせて見たるが、城南の丸墓山に上り、地勢を顧望して、水攻めを思ひたり。
— 大町桂月 『石田堤』 青空文庫
大師の時代には、まだ天寶の盛時を親覩した故老も多く存せしなるべく、且つは長安への往還に必經の道筋に當れば、大師もここでは定めし徘徊顧望されたことであらう。
— 桑原隲蔵 『大師の入唐』 青空文庫
殊にこの山は雲仙の連峰から、やや離れて孤立しているため、却て雲仙連峰を顧望するによく、有家島原方面に、緩やかな大傾斜を作る美しい雲仙の裾野を、一眸の中に収める気も晴れやかな大観は、高岩に上って得られるのである。
— 菊池幽芳 『雲仙岳』 青空文庫
私は、近いところだからそれには及ばぬと辭退しつゝ舟に乘つて横木のうへに腰を掛け、舟が漸次沖の方へ滑つてゆくにつれて四圍の風景を顧望してゐた。
— 近松秋江 『箱根の山々』 青空文庫
前甲板に呉蓙を敷いて天幕の張つてある處に座をとつて私はそこから四方を顧望してゐた。
— 琵琶湖めぐり 『湖光島影』 青空文庫