暗愁
あんしゅう
名詞
標準
sad thought
文例 · 用例
ああ この暗愁も久しいかな!
— 萩原朔太郎 『氷島』 青空文庫
何という罪のない絵だろうとしばらく眺めていたが、名状の出来ぬ暗愁が胸にこみあげて来て、外套のかくしに入れたままの拳を握りしめて強く下唇をかんだ。
— 寺田寅彦 『障子の落書』 青空文庫
言ひ難き暗愁は暫時も自分を安めない。
— 国木田独歩 『畫の悲み』 青空文庫
言いがたき暗愁は暫時も自分を安めない。
— 国木田独歩 『画の悲み』 青空文庫
―― それが現実であるかのような暗愁が彼の心を翳っていった。
— 梶井基次郎 『冬の日』 青空文庫
あれからずつとおれらは逃走してやつて來たのだあの遠い極光地方で 寒ざらしの空の下をみんなは栗鼠のやうに這ひ※つたいつもおれたちの行くところでは暗愁の、曇天の、吠えつきたい天氣があつた。
— 萩原朔太郎 『蝶を夢む』 青空文庫
わたしは魚のやうにつめたくなつて目からさうめんの涙をたらし情慾のみたされない いつでも陰氣な悶えをかんずるああこの噛みついてくる蠍のやうにどこをまたどこへと暗愁はのたくり行くか。
— 萩原朔太郎 『定本青猫』 青空文庫
情慾の強い惱みを抑へ、果敢ない運命への叛逆や、何といふこともない生活の暗愁や、いらいらした心の焦燥やを忘れさせ、安らかな安らかな寢臺の上で、靈魂の深みある眠りをさそふやうな、一つの力ある靜かな感情。
— 萩原朔太郎 『宿命』 青空文庫
作例 · 標準
私は毎日暗愁について考えている。
暗愁という言葉は日本語で重要だ。
彼は暗愁の意味を理解している。
この文には暗愁が含まれている。