梵論字
ぼろんじ
名詞
標準
文例 · 用例
いつ頃かね、それは」「なんでも、よほど昔しの嬢様で……」「その昔の嬢様が、どうしてまた身を投げたんだい」「その嬢様は、やはり今の嬢様のように美しい嬢様であったそうながな、旦那様」「うん」「すると、ある日、一人の梵論字が来て……」「梵論字と云うと虚無僧の事かい」「はあい。
— 夏目漱石 『草枕』 青空文庫
あの尺八を吹く梵論字の事でござんす。
— 夏目漱石 『草枕』 青空文庫
その梵論字が志保田の庄屋へ逗留しているうちに、その美くしい嬢様が、その梵論字を見染めて――因果と申しますか、どうしてもいっしょになりたいと云うて、泣きました」「泣きました。
— 夏目漱石 『草枕』 青空文庫
梵論字は聟にはならんと云うて。
— 夏目漱石 『草枕』 青空文庫
そこで嬢様が、梵論字のあとを追うてここまで来て、――あの向うに見える松の所から、身を投げて、――とうとう、えらい騒ぎになりました。
— 夏目漱石 『草枕』 青空文庫