初声
はつこえ
名詞
標準
first sound of the year for an animal
文例 · 用例
○初日は上りぬ、あな/\この国には、光の使の鳥さへえ鳴かぬや、と、うつけし声々|亜細亜を領ず時し、聞いたり、――東の花苑花を踏みて、崇さ、雄々しさ、王者のほこり見する、※ほがらに鳴きぬる其初声――、あかつき残れる夜影の雲もつひて、あゝ其声よりこの国朝と成りぬ。
— 石川啄木 『閑天地』 青空文庫
然り、俳諧の尤も熟したるもこの時代にて、戯曲の行はれしも、戯作の出でしも、実に此時代にして、而して此等の物皆な平民社界の心骨より出でたるものなることを知らば、余は寧ろ我邦の如き貴族的制度の国に於て、平民社界の初声としては彼等を厚遇するの至当なるを認むるなり。
— 北村透谷 『徳川氏時代の平民的理想』 青空文庫
然に是等学芸の士は、平民に対して些の同情ありしにあらず、平民の為に吟哦せし事あるものにあらず、平民の為に嚮導せし事あるものにあらず、かるが故に既に初声を挙るの時機に達したる平民の思想は、別に大に俳道に於て其気焔を吐けり。
— 北村透谷 『徳川氏時代の平民的理想』 青空文庫
然るに分娩の際は非常なる難産にして苦悶二昼夜に亙り、医師の手術によらずば、分娩覚束なしなど人々|立騒げる折しも、恰も陣痛起りて、それと同時に大雨篠を乱しかけ、鳴神おどろ/\しく、はためき渡りたる其刹那に、児の初声は挙りて、左しも盆を覆さんばかりの大雨も忽ちにして霽れ上りぬ。
— 福田英子 『母となる』 青空文庫
しかるに分娩の際は非常なる難産にして苦悶二昼夜にわたり、医師の手術によらずば、分娩|覚束なしなど人々立ち騒げる折しも、あたかも陣痛起りて、それと同時に大雨篠を乱しかけ、鳴神おどろおどろしく、はためき渡りたるその刹那に、児の初声は挙りて、さしも盆を覆さんばかりの大雨も忽ちにして霽れ上りぬ。
— 福田英子 『妾の半生涯』 青空文庫
蛙が鳴いた、初声である、蝶々も出てきてひら/\。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
暑い、暑い、みん/\蝉の初声を聞いた。
— 種田山頭火 『松山日記』 青空文庫
昨日の夜明け方にはたしかにホトトギスの初声もきいた。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
作例 · 標準
早春の森で、鳥の初声を聞き、春の訪れを感じた。
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冬眠から覚めた熊が、森に初めてその大きな声を発した。
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長い沈黙の後、ようやく赤ちゃんの泣き声という初声が響いた。
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