暮天
ぼてん
名詞
標準
evening sky
文例 · 用例
しかも、この狸たるや、アルテミス型の少女に惚れる男のごたぶんにもれず、狸仲間でも風采あがらず、ただ團々として、愚鈍大食の野暮天であつたといふに於いては、その悲慘のなり行きは推するに餘りがある。
— 太宰治 『お伽草紙』 青空文庫
「草葉の蔭で父上が……」とそれからさわりで行くところだが、あの時はどうしてあの時分はあんなに野暮天だったろう。
— 国木田独歩 『酒中日記』 青空文庫
けれども私は東京に出てから十年の間、いろいろな苦労をしたに似ず、やはり持って生まれた性質と見えまして、烈しいこともできず、烈しい言葉すらあまり使わず、見たところ女などには近よることもできない野暮天に見えますので、大工の藤吉が唐偏木で女の味も知らぬというのは決して無理ではなかったのです。
— 国木田独歩 『女難』 青空文庫
)あんたが野暮天か道楽者か、その見分けが付かないようで、憚りながら芸妓の鑑札を持っていられるかって云うんだ。
— 岡本綺堂 『影』 青空文庫
しかも、この狸たるや、アルテミス型の少女に惚れる男のごたぶんにもれず、狸仲間でも風采あがらず、ただ団々として、愚鈍大食の野暮天であつたといふに於いては、その悲惨のなり行きは推するに余りがある。
— 太宰治 『お伽草紙』 青空文庫
人間は死期が近づくにつれて、どんなに俗な野暮天でも、奇妙に、詩というものに心をひかれて来るものらしい。
— 太宰治 『犯人』 青空文庫
乃ち茲に暫らく閑天地を求めて、心頭に雲を放ち、胸底に清風を蔵し、高眠安臥、興を暮天の鐘にさぐり、思を緑蔭の流光に托し、風鈴に和して吟じ、雨声を友として語り、この夏中百日を暢心静居の界に遊ばんとす。
— 石川啄木 『閑天地』 青空文庫
み空の花なる星、この世の星なる花、黙々として千古語らざれども、夜々|綢繆の思ひ絶えざる彷彿一味の調は、やがて絶海の孤島に謫死したる大英雄を歌ふの壮調となり五丈原頭凄惨の秋を奏でゝは人をして啾々の鬼哭に泣かしめ、時に鏗爾たる暮天の鐘に和して、劫風ともにたえざる深沈の声を作し。
— 石川啄木 『閑天地』 青空文庫
作例 · 標準
夏の終わりの夕暮れ時、西の空には燃えるような暮天が広がっていた。
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故郷を遠く離れ、一人で眺める暮天に郷愁を感じた。
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飛行機雲が、茜色に染まる暮天を静かに横切っていった。
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