月花
げっか
名詞
標準
文例 · 用例
僕たちは、しばらく黙ってバルコニイに立っていたが、ふいと君が、お隣りの越後獅子は大月花宵という有名な詩人だという事を言い出したので、竹さんの事も何も吹っ飛んでしまった。
— 太宰治 『パンドラの匣』 青空文庫
」 僕は、どうも詩というものは苦手だけれども、それでも、大月花宵の姫百合の詩や、鴎の詩は、いまでも暗誦できるくらいによく知っている。
— 太宰治 『パンドラの匣』 青空文庫
(昭和六年八―十月、渋柿) 六 月花の定座の意義 連句の進行の途上ところどころに月や花のいわゆる定座が設定されていて、これらが一里塚のごとく、あるいは澪標のごとく、あるいは関所のごとく、また緑門のごとく樹立している。
— 寺田寅彦 『連句雑俎』 青空文庫
もっとも連句におけるいっさいの他の規約、たとえば季題や去り嫌いの定めなどもある程度まではやはり前述のごとき統制的の役目をつとめることはもちろんであるが、しかしこれらの制限と月花の定座の制限とでは言わば次元的に大きな差別がある。
— 寺田寅彦 『連句雑俎』 青空文庫
これは一つには古来の伝統による雪月花の組み合わせにもよる事であろうが、しかし月花の定座に雪を加えてはたしかに多すぎてかえって統率が乱れる。
— 寺田寅彦 『連句雑俎』 青空文庫
放逸乱雑を引きしめるために月花の座や季題のテーマが繰り返される。
— 寺田寅彦 『俳諧の本質的概論』 青空文庫
また連俳の心理と夢の心理の比較や、連俳の音楽との比較や、月花の定座の意義等に関する著者の私見は雑誌「渋柿」の昭和六年三月以降に連載した拙稿を参照されたい。
— 寺田寅彦 『俳諧の本質的概論』 青空文庫
夏月花ありという時節もちょうど今なんだけれども、何かね、本当にあるものなら、お前さん、その嬢さんに頼まれたから、取りにでも行こうというのか。
— 泉鏡花 『黒百合』 青空文庫