引込める
ひきこめる
動詞
標準
文例 · 用例
」とようよう膝去り出して、遠くから、背を円くして伸上って、腕を出して、巻莨に火を点けたが、お蔦が物指を当てた襦袢の袖が見えたので、気にして、慌てて、引込める。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
」と慌しく引込める。
— 泉鏡花 『歌行燈』 青空文庫
それを汚すようだから、雁首で吹溜めの吸殻を隅の方へ掻こうとすると、頑固な鉄が、脇明の板じめ縮緬、緋の長襦袢に危く触ろうとするから、吃驚して引込める時、引っかけて灰が立った。
— 泉鏡花 『薄紅梅』 青空文庫
それだけで手を引込める事もあるが、なおも黙って手を差し出したままでいる事もある。
— 太宰治 『花火』 青空文庫
逆に温かな血の通うのが、指の尖へヒヤリとして、手がぶるぶるとなった、が、引込める間もありません。
— 泉鏡花 『星女郎』 青空文庫
此馬鹿見た様な挨拶が上下で一句交換されると、三四郎は部屋の中へ首を引込める。
— 夏目金之助 『三四郎』 青空文庫
(能因はあわてゝ窓から首を引込める。
— 岡本綺堂 『能因法師』 青空文庫
手前なんぞに、なめられて、このまま引込めるけえ。
— 直木三十五 『南国太平記』 青空文庫