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縁端

えんばな
名詞
1
標準
文例 · 用例
雨の降る日(兄のうたへる)萩原朔太郎雨の降る日の縁端にわが弟はめんこ打つめんこの繪具うす青くいつもにじめる指のさき兄も哀しくなりにけり雨の降る日のつれづれに客間の隅でひそひそとわが妹のひとり言なにが悲しく羽根ぶとん力いつぱい抱きしめる兄も泣きたくなりにけり
萩原朔太郎 雨の降る日 青空文庫
「やあ、もう笑ってら、今泣いた烏が、」 と縁端に遠慮して遠くで顔をふって、あやしたが、「ほんとに騒々しい烏だ。
泉鏡花 海異記 青空文庫
台所へ廻ろうか、足を拭いてと、そこに居る娘の、呼吸の気勢を、伺い伺い、縁端へ。
泉鏡花 薄紅梅 青空文庫
」 と、すぐに糸七が腰かけた縁端へ、袖摺れに、色香折敷く屈み腰で、手に水色の半※を。
泉鏡花 薄紅梅 青空文庫
蚊遣の煙古井戸のあたりを籠むる、友の家の縁端に罷來て、地切の強煙草を吹かす植木屋は、年久しく此の森に住めりとて、初冬にもなれば、汽車の音の轟く絶間、凩の吹きやむトタン、時雨來るをり/\ごとに、狐狸の今も鳴くとぞいふなる。
泉鏡花 森の紫陽花 青空文庫
縁端から、台所に出て真闇の中をそっと覗くと、臭気のある冷たい空気が気味悪く顔を掠めた。
国木田独歩 酒中日記 青空文庫
「あゝ、ありがたう、かまはずにゐて呉れ、わしは直ぐまた出かけなけりやならない」 宗右衛門が庭に面して縁端の座布団へ坐つた時、始めて父親を見上げたお里の鋭い視線を横顔に感じた――(何もかもお里は勘付いてゐる) お里の利溌を余計愛してゐた宗右衛門が、今はお里が誰よりも怖ろしくなつた。
岡本かの子 老主の一時期 青空文庫
女はそれをまぎらす為に、ついと立つて縁端へ出た。
平出修 計画 青空文庫