美々しい
びびしい
形容詞
標準
文例 · 用例
帝展というものに対する私の心像を眺める時に先ず眼につくのはあの竹の台の桜の紅葉で、その次には会場の前に並んだ美々しい自動車の群である。
— 寺田寅彦 『帝展を見ざるの記』 青空文庫
少年の姿は絹物の美々しいものになった。
— 岡本かの子 『みちのく』 青空文庫
恐ろしく美々しい衣装を着た役者がおおぜいではげしい立ち回りをやったり、甲高い悲しい声で歌ったりした。
— 寺田寅彦 『旅日記から(明治四十二年)』 青空文庫
美々しい回しをつけた力士が堂々としてにらみ合っていざ組もうとすると、衛士だか行司だかが飛び出して来て引き分け引き止める。
— 寺田寅彦 『田園雑感』 青空文庫
入口のホールへ出てみると、美々しいドレスの外人も二組三組そこここに立話をしていたが、まだそんなに込んでもいなかった。
— 徳田秋声 『仮装人物』 青空文庫
その意味からいうと、美々しい女や華奢な男が、天地神明を忘れて、当面の春色に酔って、優越な都会人種をもって任ずる様や、あるいは天下をわがもの顔に得意にふるまうのが羨ましいのです。
— 夏目漱石 『虚子君へ』 青空文庫
しかし、福音書の写本などは一見して判るものじゃないから……」と云って、「一四一四年|聖ガル寺発掘記」の他二冊を脇に取り除け、綸子と尚武革を斜めに貼り混ぜた美々しい装幀の一冊を突き出すと、「紋章学※」と検事は呆れたように叫んだ。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫
また、その前列で吊具足になっている洗革胴の一つが、これは美々しい獅子噛座のついた、星前立細鍬形の兜を頂いていて、その二つの取り合わせから判断すると、歴然たる置き換えの跡が残っているのです。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫